【2024年全日本ロードレース選手権 第8戦 鈴鹿MFJ-GP JSB1000】水野涼がダブルウイン、岡本裕生がJSB1000初タイトル獲得

全日本ロードレース選手権最終戦鈴鹿MFJ-GPはJSB1000クラスにとって中須賀克行（ブリヂストン）と岡本裕生（ブリヂストン）のチームメイト同士のタイトル決戦となった。

【予選】
真っ先に2分4秒738と好タイムをマークしてトップに躍り出たのは岡本。水野涼（ブリヂストン）が2分4秒932と2番手に立つ。
セッション残り15分。岩田悟（ブリヂストン）が2分4秒513をマーク。2番手に大躍進。水野は3番手に追いやられた直後に2分4秒135をたたき出して一気にトップ浮上。しかし水野のマシンはそこで息を止めスロー走行でピットイン。その間に中須賀が2分4秒768と2分4秒台に突入。

セッション残り3分。岡本が2分3秒856をマーク。これでレース1、2共に文句なしのポールポジション獲得となった。

【決勝レース1】
予選の興奮も冷めやらぬ同日午後に行なわれたレース1は14周の周回数が設定された。好スタートを切ってレースをリードしたのは岡本。野左根航汰（ブリヂストン）、水野、中須賀、岩田の5台がトップ集団を形成。
オープニングラップを終える直前に野左根がトップ浮上。2周目に岡本が首位奪回。同時に中須賀が2番手浮上。ヤマハファクトリーのワンツー走行が始まる。岩田はトップ集団から離され、首位グループは4台に。

6周目。中須賀が岡本を捕らえて首位奪取。しかしバックストレートで岡本が首位奪回。
9周目。岡本のラインがワイドになったところで中須賀が前に出る。しかしバックストレートでは岡本が逆転。
11周目。水野が中須賀をとらえて2番手浮上。さらに岡本をもとらえてトップ浮上。

13周目。岡本が首位奪回。しかし水野がストレートスピードを活かしてまたもや岡本の前に出る。
最終ラップ。中須賀が岡本をとらえて2番手浮上。さらに水野をもとらえる。しかしバックストレートはドゥカティに軍配。水野が前に出る。岡本も水野にならって中須賀の前に出る。

水野はそのままヤマハ2台を抑えきって今季2勝目を獲得。

ヤマハの争いは岡本が制し、これで岡本と中須賀は同ポイントになった。

●水野涼（予選2位／決勝1位）
「今週は、ウイークを通して上位陣の使うタイヤが違っていました。今年あまりなかったことだと思います。どのタイヤをチョイスするかでレース展開も変わったでしょう。自分は後半が強いタイヤを選択できたので、結果的に最後に前に出ることができました。作戦どおりの展開ができたので、素直にうれしいです」

【決勝レース2】
レース2も曇天。好スタートを切ってホールショットを奪ったのは岡本。中須賀、野左根、水野と続く。この4台を追いかけていた岩田は惜しくもオープニングラップで転倒。
3周目。セカンド集団で7番手を走行していた伊藤和輝（ブリヂストン）が転倒。同じくセカンド集団で走行していた長島哲太（DL）も転倒。
5周目に水野が野左根を捕らえて3番手浮上。翌周には岡本がスパートをかけて集団から抜け出し始める。これを見た水野は中須賀を捕らえて2番手浮上。岡本を追いかけ始める。

レース中盤。岡本と水野のトップ争い、中須賀と野左根の表彰台争いの二手に分かれる。10周目に多重クラッシュが発生。これでセーフティカーが導入される。

残り3周でセーフティカー解除。岡本、水野、中須賀、野左根の4台が一斉に1コーナーに突入。そしてまさかの中須賀が転倒。トップに立ったのは野左根。水野と野左根が順位を入れ替えながらのトップ争いを展開。岡本は2台の背後につく。

先に最終ラップに突入したのは水野。野左根に仕掛ける岡本。その間に水野は逃げ切り体制に入り、そのままダブルウインを飾った。2位争いは野左根に軍配。岡本は3位表彰台でJSB1000初タイトルを獲得した。

●水野涼（予選3位／決勝1位）
「昨日と同じタイヤを選択しました。追い上げて2台での争いになるかと思ったらセーフティカーが入って仕切り直しになりました。セーフティカー解除後のペースに不安があって怖かったので、ストレートですぐに前に出たのに抜き返されました。逆にそこから落ち着いて、自分の強みで抜いて、残り2周くらいは引き離そうと思いました。最後、こういう形で終えられて非常にうれしいです」